上腕骨外側上顆炎(テニス肘)とは
- 診療にかかる費用についての目安
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初診でレントゲン撮影2方向+処方箋
1割負担:約580円 2割負担:約1170円 3割負担:約1750円
※ いずれも目安です。処方内容などによって変化します。2024年6月時点での計算となります。
症状
上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)では手首を上に起こしたり、指を伸ばしたりするときに肘の外側に鋭い痛みが走ります。
日常生活動作としては、例えばものをつかんで持ち上げる、タオルや雑巾を絞る、ペットボトルの蓋を開ける、キーボードを打つ、草引きをする、などの動きで痛みを感じます。
多くは動かしたときの痛みであり、初期には安静時に痛みを感じることはあまりありませんが、症状が強くなると安静時にも痛みを感じるようになります。
テニスのバックハンドの動作で痛みを感じることがあることから、テニス肘という別名で呼ばれることがありますが、実際にはスポーツ以外に、職業上での動作、日常生活動作などが原因となる場合の方が多いようです。
原因となる筋肉
肘の外側の硬い骨の部分を「外側上顆」と呼びます。
この外側上顆に付着している3つの筋肉が原因となって起こります。
3つの筋肉とは
手首を伸ばす(上に持ち上げる)働きをする
①長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)と
②短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)、
指を伸ばす働きをする
③総指伸筋(そうししんきん)です
一般にはこれら①~③の筋肉の付け根、“腱”という場所が肘の外側で炎症をおこして痛みが起こります。
くり返し手首を伸ばしたり、指をのばしたりする動作を繰り返すことで炎症が起こります。
具体的には
①スポーツなどでの繰り返しの刺激:テニスのバックハンドやゴルフのインパクトの瞬間など
②職業上での繰り返し動作:料理人で重い鍋を振る、硬いものを包丁で切る、農業で草引きをする、肉体労働で重いものをもって運ぶなど
③加齢に伴う筋肉の質の低下:年齢とともに筋肉の柔軟性が失われ、繰り返しの刺激に弱くなっていくと考えられます。
などがあげられます。
検査方法
圧痛(押さえると痛みを感じる場所):
肘を軽く曲げ、外側の硬い骨(外側上顆)付近を抑えると痛みを感じます。
①Thomsenテスト:手首を上に曲げる力を入れると肘の外側に痛みが走ります。
②Chairテスト:椅子をつかんで持ちあげるような力を入れると肘の外側に痛みが走ります。
③中指伸展テスト:中指に抵抗をかけながら指を伸ばす力を入れると肘の外側に痛みが走ります。
レントゲンでは骨棘(こつきょく)という、腱に引っ張られて生じる骨の棘のような変化がみられることが多いです。
サポーターによる予防
炎症をおこさないように普段から筋肉に緊張をのこさないような工夫が必要です。
①運動や作業のあとに手首や指のストレッチをこまめに行います
ストレッチを仕方についてはこちらの動画をご覧ください
②アイシング:
ストレッチをした後、肘を氷嚢などでしっかり冷やします。
※外用剤は炎症をとる作用はありますが、冷やす効果はあまりありません
:くわしくはこちら温湿布と冷湿布、どちらがいいの?についてをご覧ください
③肘用のバンド(エルボーバンド)やテーピングで負担を軽減します
運動や作業時の肘の負担を減らすのに有効です。
治療方法
①手首や指のストレッチをこまめに行います
ストレッチを仕方については動画をご覧ください
保存的治療(手術をしない治療)では最も基本となる大切な部分になります。
②スポーツや手をよく使う作業をひかえて外用剤を使用します。
③体外衝撃波治療:くわしくはこちら体外衝撃波治療器についてをご覧ください
④肘の外側に局所麻酔薬とステロイドの注射をします。
局所麻酔を注射することで痛みが軽減すればそこが原因である証明になります。
ステロイド剤を注射することで炎症をとることができます。
ステロイド剤の注射で痛みが取れた場合もストレッチを続け、痛みがでないように予防していくことが非常に大切です。
何度も注射をしていると腱の質そのものが劣化することからあまり頻回の注射はおすすめしません。
⑤肘用のバンド(エルボーバンド)やテーピングで負担を軽減します
当院ではまず生活指導やリハビリを中心とした治療で症状の緩和を図ります。
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