ドケルバン病(手関節腱鞘炎)について
- 診療にかかる費用についての目安
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初診でレントゲン撮影2方向+処方箋
1割負担:約580円 2割負担:約1170円 3割負担:約1750円
※ いずれも目安です。処方内容などによって変化します。2024年6月時点での計算となります。
症状
母指(=親指)を伸ばしたり、母指を広げたりする際に手関節の親指側に痛みが走ったり、症状が強いと腫れて熱を持ったりします。
これは親指を動かす腱(けん)が、手関節の親指側の腱鞘(けんしょう)という部分で炎症を起こすことが痛みの原因です。
腱鞘とは本来、腱が浮き上がるのを防ぎ、滑らかに動くための滑車のような役割をする、靭帯のトンネルのようなものです。
これが何らかの原因で炎症を起こし、腱が滑らかに動くことができなくなってしまったのが腱鞘炎(けんしょうえん)です。
腱鞘炎と女性ホルモン
指をよく使う方(美容師さんや剪定をする庭師さん、パソコン業務が多い方、スマートフォンを片手で使用することが多い方、コントローラーを使ってゲームをよくする方)などに多いとされていますが、特に酷使した覚えがないのに痛みを生じる方も少なくありません。
最近では腱鞘炎の発生が女性ホルモンと深く関連していることが分かってきており、実際の患者さんも圧倒的に女性が多いです。
女性で症状が出やすいのが妊娠出産時期と更年期です。
くわしくはこちら
【女性ホルモンと手の疾患について】をご覧ください
判別方法
【圧痛(押さえると痛い場所)】
手首の親指側を押さえると痛みを生じます。
症状が強くなると熱をもって腫れたり、痛みで母指が動かせなくなったりします。
【検査方法】
Eichhoff(アイヒホッフ)テスト:
親指を軽く握り、手首を小指側に強く曲げると手首の親指側に痛みを生じます。
また、この状態で母指を伸ばすと痛みが直ちに消失します。
有効なサプリメント
更年期のドケルバン病の予防として、女性ホルモン(エストロゲン)によく似た構造をもつ、「エクオール」というサプリメントが有効と言われています。
エクオールは大豆に含まれる「イソフラボン」から作られたもので、弱い女性ホルモン様作用を持つといわれています。
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治療方法
①局所の安静:サポーターやテーピングなどで親指の動きを制限します。
原因となっている動き(スマホの使い過ぎなど)を控えるようにします。
炎症が強い場合にはしっかりとした固定が必要となることがあります。
②薬物療法:炎症を抑えるような外用剤(湿布や塗り薬)、内服を使用します。
③注射療法:超音波で場所を確認しながら痛みの原因となっている腱鞘の中にステロイドという炎症を抑える薬剤を注射します。
非常に効果が高いものですが、頻回に注射すると腱そのものが劣化する可能性があるためある程度間隔をあける必要があります。
④手術療法:痛みがかなり強く、上記の保存的治療が効果なく、日常生活に大きな支障をきたす場合には、腱鞘切開という、腱鞘を切り開いて腱の通り道が狭くなっているところを開放する手術をお勧めすることがあります。
当院ではまず薬物療法や注射療法を中心とした治療で症状の緩和を図ります。
手術が必要と判断した場合は近隣病院の専門医の外来(岐阜赤十字病院、岐阜市民病院など)を紹介いたします。
ご希望の病院があればそちらへ紹介することも可能です。
お気軽にご相談ください。
腱鞘切開術のイメージ
【腱鞘切開術のイメージ】
痛みや炎症の元となっている腱鞘を切り開き、腱がスムーズにうごかせるようにします。
腱鞘切開術についてくわしくは
こちら【腱鞘炎に対する腱鞘切開術について】をご覧ください
当院では近隣病院の手の外科専門医を紹介します
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