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骨密度の測定方法について 骨密度の測定方法についてのイラスト

骨の強度とは?

骨の強度とは?

「骨強度(こつきょうど)=骨密度(こつみつど)+骨質(こつしつ)」

骨の強さ(骨強度)は骨密度と骨質からなり立っていると考えらえています。
骨密度とはその名の通り、骨の密度のことをいいます。骨に存在するカルシウムなどのミネラルがどの程度含まれているのかを骨量として測定します。
しかし骨密度が高ければ骨脆弱性骨折をおこさないか、というとそういうわけではありません。
骨脆弱性骨折をきたす患者さんでも骨密度が低くない方がいます。
そのような方では骨質が低下していると考えられます。

骨質とは?


骨は主にカルシウムでできていますが、それだけではなく、コラーゲンというたんぱく質が網目のような構造を作ってカルシウムを支えています。
骨の構造はよく鉄筋コンクリートにたとえられます。鉄筋コンクリートの、コンクリートにあたるのがカルシウムで、鉄筋にあたるものがコラーゲンです。
いくらコンクリートが大量にあっても、芯をささえる鉄筋の質が悪ければ鉄筋コンクリートの強度が落ちてしまうことは容易に想像ができると思います。
骨質を測定するのは困難です。
骨質を高めるためにビタミンB6、ビタミンB12、葉酸などを摂取することが大切とされています。

骨密度測定方法について

骨密度は機械で測定することが可能です。
測定方法にはいくつかの方法があります。

①超音波法


かかとやすねの骨に超音波をあてて測定します。
骨粗鬆症の健診に用いられることが多く、X線を使用していないため、妊娠中の方でも測定することができます。
メリット:容易に測定が可能
     健診やイベントなどで多くの人の測定が可能
     超音波を使用するため被爆しない
デメリット:やや再現性に劣る
     あくまでざっと骨粗鬆症かどうかを見つける検査

②MD法


X線撮影を利用します。
手のX線撮影をする際に、厚さの異なるアルミニウム板をいっしょに撮影し、骨とアルミニウムの写り方の濃度を比べることによって骨密度を推定すます。
比較的簡便にできるため多くのクリニックで用いられている方法です。
メリット:容易に測定が可能
     時間がかからない
     レントゲン撮影装置以外特に大きな施設が不要
デメリット:やや再現性に乏しい
      腰や大腿骨などの骨密度を測定することはできない

③DEXA法


エネルギーの低い2種類のX線を使った測定方法です。
一般的には腰椎(腰の骨)と、大腿骨(太ももの骨)の付け根のところで骨密度を測定します。
再現性が高く、将来的な骨折の可能性をチェックするのにすぐれた方法です。
メリット:正確な骨密度の測定が可能
     定期的に測定することで治療の判断基準の参考となる
     骨折の正しいリスクを知ることができる
デメリット:特殊な機器が必要となる
      やや時間がかかる(15~20分程度)
      被爆する

骨密度測定の結果の見方について

骨密度検査の結果はYAM値(若年成人比較%=若年齢の平均骨密度値(基準値)を100%としたときの被検者の%)、簡単にいうと若い人の基準と比べたときにどれくらいの骨密度があるのかという表現です。)として表します。

骨粗鬆症と診断されるのは次の2つの場合です。

大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)や脊椎圧迫骨折(背骨の骨折)を受傷したことがある場合。これらの骨折は骨卒中ともいわれ、骨折後の生活予後を悪化させる可能性が非常に高いものです。
これらの骨折を起こした方は 骨密度の結果にかかわらず、骨粗鬆症と診断されます。

大腿骨や背骨以外(手首や肩、肋骨など)の複数の骨折を受傷したことのある方で、YAM値が80%未満の場合。
YAM値が70%台でも複数の骨折を受傷したことがある場合は骨強度が落ちている=骨粗鬆症と診断されます。

上記にかかわらずYAM値が70%未満の場合。
骨密度そのものが低下しており、非常に骨折しやすい状態となっていると考えられます。
ちなみにYAM値が60%未満の場合は重症骨粗鬆症と診断されます。

骨密度の測定は将来の骨折予防のために非常に重要な検査です。
理想は折れてしまう前に骨粗鬆症を見つけ、治療を開始することです。

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©医療法人幸鷺会

文責・監修森 敦幸

(整形外科専門医・日本スポーツ協会公認ドクター)

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