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大腿骨近位部骨折について 大腿骨近位部骨折についてのイラスト

大腿骨近位部骨折とは

大腿骨近位部骨折は骨粗鬆症に伴っておこる脆弱性骨折のひとつで、立った姿勢からの転倒や尻もちなどで起こります。
転落や事故、スノーボードなど強い力が加わる転倒の場合は若い人でも起こることがあります。
大腿骨(ふともものほね)の付け根に近いところでおこる骨折です。
大腿骨近位部骨折には大腿骨頸部骨折大腿骨転子部骨折があります。

股関節周辺の構造について

股関節は骨盤の骨と大腿骨から成り立っています。
股関節は関節包という袋状の靱帯に包まれるような形で支えられています。
この関節包の内側で骨折がおこると大腿骨頸部骨折
関節包の外側で骨折がおこると大腿骨転子部骨折とよびます。
(以前は頸部内側骨折、頸部外側骨折と分類されていました。)
この二つの骨折をわけるのには理由があります。
骨折の治癒機転が大きく異なるためです。
関節の中での骨折は血流が悪く骨癒合が困難です。
関節外での骨折は血流が良く比較的骨癒合がしやすいです。
詳しくは次項で説明します。

大腿骨頸部骨折

大腿骨の頸部、首のように細くなっている部分で起こる骨折です。
関節包の中での骨折です。
多くの場合、転倒した直後から痛みのために立位、歩行ができなくなります。
(折れた部位が噛みこむような形になると、まれに折れたまま歩ける方もいらっしゃいますので注意が必要です)
見た目で骨折した方の脚が短くなっていることがわかることが多いです。
この部位は体重を支えるのに非常に重要な役割をしています。
骨折後動けない時間が長くなると、脚の力が衰えるだけでなく、肺炎や尿路感染などを起こし全身状態が悪化することがあるため、早期に手術をして動けるようにすることが大切です。

大腿骨頸部骨折の手術

骨折部に転位(ずれ)がない場合にはスクリューによる固定を行います。

骨折部が大きく転位している場合には人工骨頭置換術を行います。
大きく転位した場合に骨接合が選択されない理由として、
大腿骨頭(丸い部分)に栄養をとどける唯一の動脈が大腿回旋動脈です。
骨折の際にこの動脈が損傷してしまうと、骨をもとの状態に戻しても栄養が届かず、骨が癒合しなかったり、癒合したとしても後に骨頭壊死(骨が死んでしまうこと)を起こす可能性が高くなります
このため、折れてしまった骨頭を取り出し、人工の骨頭に入れ替える手術をすることになります。
人工骨頭置換術のメリットとして、早期から離床が可能となることがあげられます。
 早ければ翌日から立ったり歩いたりする練習を開始することができます。

大腿骨転子部骨折

上記の骨折と違って比較的骨癒合が得られやすい骨折です。
関節包の外側での骨折です。
外見上強く腫れ、強い痛みを生じることが多いです。
ほとんどの場合歩行ができなくなります。

大腿骨転子部骨折の手術

骨癒合が得られやすい骨折のため、麻酔下に骨折部を整復(元の状態に引っ張って戻すこと)して、金属を用いて骨折部を固定します。
ガンマネイル型やプレートとスクリューを組み合わせた金属などで骨折を強固に固定し早期からのリハビリを可能にします。
骨癒合が得られるまでは骨折部の痛みはのこりますが、手術の翌日から立ったり歩いたりする練習を開始することができます。
大腿骨頸部骨折と同様、長期の臥床は肺炎や尿路感染、筋力低下などさまざまな合併症をきたすため、できるだけ早期に手術をして動けるようにすることが重要です。

骨折の術後

大腿骨近位部骨折の受傷・術後はどうしても筋力が弱くなります。
いままでフリー歩行が可能だった方では1本杖が必要になったり、杖で歩いていた方だと歩行器が必要になったりと生活のレベルが下がってしまうことが多いです。
このため、受傷後にまた転倒して反対側の骨折を起こす人も少なくありません。
術後にリハビリをして筋力を増強するのはもちろんのこと、転倒をしないように環境を整えたり、骨粗鬆症の治療をして第2、第3の骨折を起こさなように予防することが非常に大切です。

当院は岐阜市西改田にあるクリニックです。
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©医療法人幸鷺会

文責・監修森 敦幸

(整形外科専門医・日本スポーツ協会公認ドクター)

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