肩関節脱臼について
肩関節脱臼とは
転落や転倒、スポーツの際の接触プレーなどで肩の関節が外転外旋、水平伸展された際、上腕骨頭(じょうわんこっとう:腕の骨の付け根)が肩甲骨からはずれます。
外れる方向によって分類され、腕の骨が前にはずれる前方脱臼と後ろにはずれる後方脱臼があります。
90%以上が前方脱臼です。
脱臼するとかなり激しい痛みがあり、腕を動かすことができなくなります。
手を支え、痛みの少ない腕の位置で固定して早めに整形外科を受診してください。
まれに自身で脱臼が戻ることもありますが、脱臼する際に骨折をしていることがあり、整復後にはかならずレントゲンで骨折の有無を確認する必要があります。
脱臼の整復方法
Stiomson法
ベッドにうつぶせに寝た状態で、脱臼した方の腕に5kg程度の錘をぶらさげ、ベッドの横から下垂させます。
力がうまく抜けた瞬間に脱臼が整復されます。
挙上位牽引法
牽引を加えながら腕を前側方へゆっくり引っ張っていきます。
合併症について
軟部組織損傷
脱臼する際に腱板(けんばん)という肩を上げる際に使用する組織が断裂してしまうことがあります。
整復後しばらくしても肩を上げることができない場合には腱板断裂を疑います。
腋窩神経損傷
脱臼や整復の際、腋窩神経(えきかしんけい)というわきの下をはしってる神経を損傷することがあります。
肩の外側にしびれを感じたり、三角筋(さんかくきん)という肩を上げる際に働く筋肉に力が入りにくくなったりする症状がでますが、いずれも症状は一時的であり、多くは自然に回復します。
反復性脱臼
脱臼する際に関節唇(かんせつしん)や関節包靱帯(かんせつほうじんたい)という関節を支える組織が損傷を受けます。
これらの組織の修復が十分えられず、関節がゆるくなり、脱臼を繰り返すようになってしまうことがあります。(=反復性肩関節脱臼)
特に若い人では約半数が反復性脱臼になるといわれています。
頻回に脱臼をくりかえし、日常生活やスポーツ活動に支障が出る場合には手術が必要となります。
関節拘縮
若い人では関節がゆるくなりがちですが、逆に高齢者では脱臼後に肩の動く範囲がせまくなってしまう、拘縮(こうしゅく)という状態となることがあります。
高齢者では長く固定をすると硬くなりやすいため、痛みが治まったら適切に運動を開始する必要があります。
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